大笑い
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 試作版はすぐに完成した。それだけパズルゲームの制作はハードルが低いということなのかもしれない。
 となれば、ライバルも多いということで、うかうかしてられないのかもしれない。

 同じようなアイデアを発表前によそが出してきたら、企画の存在自体を揺るがしかねない。

 なんらかの企画をする人は、ゲームに限らず大なり小なりこんな強迫観念をいつも持っている、と思う。かく言う私も、いつでも臆病になっている。

 まだ出来て間もないQエンタテインメントの事務所を訪問した。目黒の離れにある郵便局の2Fを間借りしているオフィスは引っ越しの最中さながら。まだ人がまばらで、手作り感が残っている。しゃべると部屋にエコーが残る。

 そこで『メテオス』試作版をプレイしてみた。そして、おかしくて笑った。

 なんと言っても、落ちモノパズル的な画面なのに、ブロックがまとめて上に打ち上がっていく映像が笑える。普通なら、パッと消えてなくなるはずのブロック。それが、ゴゴゴゴゴゴッと上に飛んでいく。

 試作版を作ったスタッフにはシツレイながら、「こりゃぁバカバカしいなぁ!」と感じた。どれだけの人がそう感じられるのかはわからないが、非常識と常識の境目を見る気分というか。

 これは『スマブラ』で、ふっとんでいく相手キャラをはじめて見た時の感覚に似ている。
 自分としては、ゲームはバカバカしいぐらいがちょうど良いと思う。

 ちなみに、この頃はニンテンドーDS対応ソフトであることは決められてなかったので、企画自体タッチペンを前提にしていなかった。なので試作版も、カーソルキーやゲームパッドなどで操作した。

 とりあえずこの段階でちょこちょことラフにバランス調整を進める。
 データを見たところ調整自体もラクな環境になっているし、デザインもまずまず良い。高いレベルだよなぁ、と思った。
 ともあれ、これは頼もしい。

 『メテオス』試作版には演出らしい演出はまだ無いし、宇宙人くんの登場もないが、この段階でゲームが遊べてしまうことそのものの意義が大きい。

 しかし、いよいよ次が本番なのである。

(つづき→)


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