可能性に投資するもの
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 「こんなプレゼンされたら、どんなもんも通っちゃうよ」
 バンダイの大プロデューサー、鵜之澤氏は笑いながら語った。

 2004年3月2日。バンダイ社の会議室。
 数名の目が見守る中、『メテオス』のプレゼンテーションは実行された。先のプレゼンテーションをおこない、試作版の『メテオス』のプレイ実演をおこなう。

 私の心配をよそに、プレゼンはあまりにもあっけなく決まった。ハナシが完全に確定するまでにはさすがに時間を要したが、結果としては当面問題なく開発を進めることができる。

 水口さんの会社Qエンタテインメントは、販売網は持っていない。実際に発売をおこなうメーカーと関係を持ち、契約してソフトを提供していく。今回はそれがバンダイ社だった。

 バンダイは水口さんの考え(参考:いまさら落ちモノパズル)に同調していた。そんなこともあり、ハナシは早かった。

 その後鵜之澤さんのハナシをいろいろとうかがうことができた。私には、彼の考え方が非常に頼もしく思えた。

 バンダイが抱えるソフトラインナップやタイトルはとても多い。アニメ番組にせよキャラクター商品にせよゲームにせよ、非常に多くの会社や制作者が、バンダイという資本元にお世話になっているのは想像に難くない。
 ……もちろん、その感じかたは同じ制作側でもずいぶん異なることもあるだろうけれど。

 水口さんの企画というのは、ゲーム業界に慣れている人であればあるほど、打ち出しが弱いものに見えるかもしれない。だけど、自分も感じたように、そういう偏見がゲームを狭くしている。

 いろいろなことを考える人がいて、いろいろな性質の企画を出す。それはいいことなのかもしれない。だけど、投資をしてくれる人がいなければ、夢は夢のままだ。

 ゲーム業界、ちょっと苦しい状況にあるかもしれない。どう考えても利益をはじき出さない企画も少なくない。
 だけど、こういう人がいる限り、まだまだ捨てたもんじゃないのではないか。そんな気がしてきた。

(つづき→)


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