ワンフック
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 小学生のころだったか。コーラだと思って口にした飲み物が、よりにもよってそばつゆだったことがある。

そばつゆだった
▲ぶほッ。


 そのショックといったら、今でも忘れられない。想定していなかったものがいきなり飛び込んできた時、人はなんとも言えない不可思議な感触を受ける。 そばつゆもきっちりおいしいものなのに。

 自分の企画は最近、というか具体的には『大乱闘スマッシュブラザーズ(64版)』以降から、楽しさの理解にワンフックがあるような気がする。
 
 つまり、すぐにはゲームの面白さが判らないケースがあるのではないかと。
 
 かつて『スマブラ』なり『カービィのエアライド』なりを作った時も、「格闘ゲームとはこういうもの」「レースゲームとはこういうもの」という偏見を持っている人ほど、ゲームの理解がすんなりいかなかった。面白さがわからないまま手放した人もいるかもしれない。
 
 自分から言うのもナニだけど、もったいない。本当の良いところはまったく別の方向にあると言うのに、既存のものさしで背丈を測ってしまうのは。
 
 それは総じて価値観なので、残念だとは思わない。自分が悪いのだろうとも思う。だけど、フライドチキンのすねだけかじってうまいのまずいの言っているようなものだ。やっぱりもったいない。
 
 ゲームは嗜好品だ。だから手に取る人全員がまんべんなく楽しめるとは思わないし、誰にも楽しんでほしいと大それたことを考えたりもしない。しかし、楽しめる素質がある人にはちゃんと伝わるようにしていきたいと思う。
 
 で、『メテオス』である。
 この作品も、ふつうの落ちモノパズルゲームの常識から外れているので、「落ちモノパズルとはこういうもの」と固定観念を持っているほど、その魅力を素直に受け取ることができないのかもしれない。 それが心配だ。
 
 ……だけど、遊んでもらった人々の反応を見る限りは、それは杞憂のような気がしている。
 なぜか、広く受け入れられているようだ。
 
 小さい子には、メインのキャラクターがいないので、最初の見た目がちょっとムズカシイかもなぁと心配でなくもない。
 だけど、ガチャガチャやっていればなんとかなるアバウトさもあるので、まずは触ってもらう機会を増やすしか、と思う。
 
 『メテオス』を、かけひきを考えながら実際にプレイしている感じは、もう落ちモノパズルに分類されるものではない。もっと高速で激しく荒々しいアクションゲームなのだ。
 空中戦における攻と防。空中にカタマリをほうりあげながら、タイムアクセルをふみこみながらリアルタイムで攻め時を考える様は、高波を相手にしているかのようだ。
 
 だから、「このゲームはこういうものなんだよ」と伝える努力はしなければならない。
 
 というわけで、プレイムービーを作って置いてみた。プレイヤーは私自身。編集もおこなった。
 
 『メテオス』は、さまざまな顔を持つ。

(つづき→)


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