最後に
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企画時や発表時。つまりあんまり『メテオス』が知られていなかったころ。
私が"落ちモノパズルゲーム"というジャンルを手がけることに対して、ネガティブな意見も少なからずあった。いちばん印象に残っているコトバは、「それはF-1でタバコ屋に行くようなものだ」というもの。
でも、
フリーになった私は、どんなジャンルのオーダーでも、器用にやっていく必要がある。
むしろ、過去に作った作品にとらわれて『カービィ』みたいなの作れとか、『スマブラ』みたいなの作れとか言われなくて良かったと思う。
自分にとっても、ビデオゲームが備えている可能性から見ても。
そういう意味で、今回の仕事の機会があったことに感謝している。制作上などにつきあってもらった人々にも言うまでもなく。
"落ちモノパズル"というジャンルは、ものすごく固定観念を持たれているものなのかもしれない。
だからこそ、「まだまだこんな手もあると思うよ」と提案できるのは、楽しい。そうすることの方が、自分に合っているのだと思う。
『メテオス』は、ある程度の斬新さと独特の面白さを持っていると思う。それ故、実際に制作を進めるのもお客さんに買ってもらうのもタイヘンだ。なにしろ、「○×のような〜」という例えが通用しない。
0を1にする仕事は、少なくとも日本の市場ではなかなか割に合わない。
シリーズやキャラクターにまたがるほうが、賢い選択だと言える。
だけど、そんな消費活動的なゲーム業界はなんかイヤだ。
で、自分の手の届く範囲でなにかをした結果の一つが、このホームページとなった。
『メテオス』という、地味なジャンルの伝えることが難しいゲームを、少しでも伝える努力をするべきだと思ったためだ。
やっぱり一部の人間にしか伝えることはできないのかもしれない。
しかし、一部でないコミュニティはこの世に存在しないし、できることをあきらめていいという理由にはならない。
今、自分の『メテオス』カードは、32人のプロフィールが入っている。これは容量上限いっぱいなので、さらに対戦を重ねると残念ながら古いデータから消去されていってしまう。
この32人のほとんどは、関係者外の人。それもゲーム業界の人ばかり。ライター、編集者、ディレクター、デザイナー、プログラマー、プロデューサー、その他……。
ある時には飲み屋で対戦にハマり、やめどきを失い何時間もプレイした。
ある時はどこかの事務所で無口になりながらひたすら打ちあげた。
ある時はどこかの編集部で、"誰が強い?"なんてハナシをしながら対戦した。
ある時には、食事がお留守になって目の前の鶏鍋が甘く煮詰まってしまった。
対戦ツールとしては順当以上のポテンシャルを持っていることは確からしい。それを実際に目の当たりにして、実際に遊んで、熱中する時間を共有でき、しかも彼らの痕跡をROMに確保できるだけでも私は幸せだと思う。
……ところで、このひそレポを書いた本日、私はカスタム塗装のDSを譲り受けた。友人のモデラーが趣味で作ったものであり、世界に一台だけのものだ。
▲コレ
ヤバイ!! カッコええ!! ファミコンカラーのスバラシイデザイン。白と赤のめでたい色合い。自分には過ぎた逸品かもしれない。しかしここは、ありがたく今後の愛機とさせていただく。
たぶん私は、これを駆使してまた『メテオス』対戦をしていくのだろうと思う。
最近DSもカラーラインナップが増えてきた。ハードにしろ遊び方にしろ、それぞれの人の個性が出るというのは、何に付け良いことだと思う。だから、自分の惑星を見つけてほしい、とひたすら個性づけにはこだわったつもりでいる。
だからこそ、対戦をして楽しんだ瞬間というのは、自分にとってなにより貴重なのだ。ゲームなんて、ちょっとした媒介に過ぎない。やっぱり人なのだろうと思う。
そしてホームページ更新など、ひととおり『メテオス』の仕事が終わったあと、どんなジャンルのゲームを作ろうか? と考えている。 そもそもゲームを作るのか?
先のことはわからないけれど、これからも、
ゲーム作りはきっと楽しいのだろうと思う。
(おわり)
メテオスを遊んでくれている、全ての人たちへ感謝を込めて
2005.4.8 桜井政博